日本プロ野球、伝説に残る選手列伝~長嶋茂雄から大谷翔平まで

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江川卓の選択ミス~オールスター連続奪三振記録を狙って

      2019/05/07

江川 卓(えがわ すぐる 1955年5月25日~)

昭和の怪物・江川卓と言えば、作新学院から巨人入りを熱望。
当時巨人のエースだった小林繁との1対1のトレードで巨人入団に漕ぎつけたことで有名です。

江川卓の持ち球は剛速球のストレートと大きく曲がるカーブ。
それにたまに投げるフォークボールと投手としては球種は少ない方でした。それでも江川のカーブは待っていても打てない魔球のような球でした。

カーブは変化球の中で1番スピードの遅いボールです。通常ならバットに当てるのが1番簡単なボールですが、
江川の場合はストレートが速い為緩急を付けられると手も足も出ない状態になります。
江川のカーブは一度浮いて一度球筋が見えなくなり気が付いたらストライク。
これでは普通のバッターでは手が出ないのも頷けます。

江川のストレートが最も速かったのはプロ野球の現役時代ではなく、高校時代(作新学院)だったと言われています。
推定で155キロはゆうにあったともはや伝説のように言われています。そんな江川がプロの世界に入り作りたかった記録があります。
それはオールスターで江夏豊が持つ9者連続三振を上回り、伝説を打ち立てること。

オールスターで投手は3イニングですからアウトは9。三振は9個しか奪えません。しかしここからが江川のしたたかな所です。
8人目までは普通に三振を取り、9人目は追いこんだ後にわざとキャッチャーが後逸させるような球を投げ、
振り逃げで9個目の三振を奪い次の10人目で新記録を狙うと言う大胆不敵な物でした。
白球

実際オールスターでは8者連続三振まできました。9人目のバッターは近鉄大石。ここで江川が痛恨の選択ミスをします。
ストレート勝負にしておけば良い所をカーブを投げてしまったのです。
オールスターに出て来るバッターにもなるとバットに当てる事位は出来ます。
大石にバットに当てられセカンドゴロに終わり、記録は8者連続三振で、江夏豊の記録には及びませんでした。

江川曰く、

「魔が差したんでしょうね」

と後日語っています。この選択ミスは余りにも大きい選択ミスだったでしょう。

江川は肩の消耗頻度が高くプロ野球選手としての寿命は短かったですが、江川対掛布等の名勝負を演じてきました。
江川が引退を決意したのは小早川に打たれたサヨナラホームランです。
失投ではなく狙い通りの所に投げて打たれた事が、プロ引退を決断した理由だそうです。

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