日本プロ野球、伝説に残る選手列伝~長嶋茂雄から大谷翔平まで

プロ野球界に語り継がれる伝説の選手を紹介しています。ミスタープロ野球・長嶋茂雄から、最新の大谷翔平まで。プロ野球選手、皆おもしろい!

*

大谷翔平~ホームランを量産した完全無欠の二刀流~(メジャー編)

      2019/05/07

2018年春。二刀流大谷翔平は7球団競合の末、メジャーリーグ球団ロサンゼルス・エンゼルスと契約。日本での圧倒的な活躍と大リーグでの飛躍を胸に、一路アメリカへと飛び立ちました。

 

 

View this post on Instagram

 

Shohei Ohtani 大谷翔平さん(@shoheiohtanii)がシェアした投稿

大谷翔平の日本時代

古巣日本ハムでのプレーは、誰が見ても予想外の連続でした。

5年に及ぶ日本時代の通算成績は、打者として打率.286、ホームラン48本。

投手では防御率2.52、奪三振624、24勝をあげ、通算勝率.737。

2015年には、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠を獲得するなど、誰もが思っても見なかった奇跡を起こしたのです。

プロ入り直後は、二刀流挑戦に疑問符が付き、野球ファンや関係者を巻き込んだ大論争が起きました。

野手専念論、投手専念論などとさまざまな意見がかわされるなか、大谷翔平はただ一人自分の可能性を信じぬき、最後には二刀流が日本プロ野球でも通用することを身をもって証明してみせたのでした。

 

 

大谷翔平の球団

大谷翔平 夢の舞台

 

ロサンゼルス・エンゼルスは、アメリカン・リーグ西地区に所属する球団です。

地区優勝9回を経験、2002年にはワールドシリーズ制覇も成し遂げました。

かつてはウォルト・ディズニー社が球団の経営に参加していたというメジャーリーグでも上位の人気球団でしたが、2010年以降は成績が低迷。

リーグMVPを獲得したマイク・トラウト、球史に輝く成績を誇るアルバート・プーホールズを擁するなか、リーグ上位への浮上のきっかけをつかめないでいました。

 

大谷翔平の使命

球団から大谷翔平に与えられた使命は、2つ。

1つ目は、先発ローテーションの一角を担うこと。

もう一つは、打線の中軸という役割を果たすことでした。

マイク・ソーシア監督は、開幕前、大谷翔平を二刀流で起用することを明言しており、まさに二刀流が求められるという、最高の環境を大谷翔平は得たのでした。

大谷翔平人気は現地でも、シーズン開幕を前に、日に日に高まっていきました。

 

メジャーの壁

しかし、メジャーリーグでの二刀流挑戦。

壁は高く、そう簡単に通用するものではありませんでした。

周囲の期待を背負って臨んだスプリングトレーニングが、ひどい結果になったのです。

バッティングでは、打率.083を叩き出し、出塁率は.214。ピッチングでは、防御率27.00という、日本時代では信じられない数字です。

 

挫折の原因

ピッチングでは、コントロールが定まりませんでした。

日本よりも硬いメジャーのマウンドの影響もあってか、変化球はストライクゾーンに入らず、ストレートさえ満足にキャッチャーのミットに収まることはありませんでした。

バッティングは、タイミングのとり方が課題でした。日本時代では、相手投手の動作にあわせて足をあげることによってタイミングをとっていましたが、ピッチャーの平均球速が日本よりはるかに速いメジャーでは、通用しないやり方だったのです。

現地のスポーツ記者の間では、「大谷翔平は通用しないだろう」とか、「開幕をメジャーで迎えるべきではない」という意見もささやかれだしていました。大谷翔平は窮地に陥ったのです。

 

 

そして開幕へ

不安を抱えたまま、2018年3月29日、ついに開幕を迎えました。

打者として試合に臨んだ大谷翔平は、オークランド・アスレチックスの投手相手に初めてメジャーを経験したのでした。

期待と不安が入り混じった気持ちは、大谷翔平だけではなく、ファンも同じだったはずです。

現地のファンも、日本で見守るファンも固唾をのんで、大谷翔平の初打席を見つめました。8番指名打者、2回にその機会がやってきたのでした。

 

その一球は……

アスレチックスのピッチャーが、一球目を投じたその時でした。

大谷翔平の打球は、ライト方向に痛烈な打球となって飛んでいきました。

打球はグリーンの芝に落ち、大谷翔平は一塁ベースを駆け抜けていました。

ヒットでした。大谷翔平は、メジャー初体験の、その初球を恐れず引っ張り、メジャー初ヒットを放ったのでした。

 

弱点克服

大谷翔平は、弱点を克服していました。

打席でのタイミングも取り方を、足を上げる方法からすり足に変え、メジャーのピッチャーに対応したのです。

そこから大谷翔平は、破竹の勢いでヒットを量産します。

開幕二戦目の第一打席にホームランを放ったかと思うと、4月は計4ホームランを放ち、打率は.359の好成績。月間最優秀新人のタイトルを獲得します。

 

期待にこたえる

段々と打順も打線の上位に上がっていくなか、8月にはホームラン6本。

9月には7本とホームランを量産。

月間打率も3割を超えていました。

シーズン終了時には、打率.285、ホームラン22本という記録を残し、しっかりと打線の中軸の役割を果たしていました。

 

投手での活躍

ピッチャーでは、4月1日にメジャー初登板初先発を果たします。

6回6奪三振を奪って失点3。

きちんと先発の役割を果たすと、シーズン最終日までに10回先発をし、防御率3.31で、4勝2敗の成績を残しました。

開幕までにはコントロールも修正され、変化球も有効に働きました。

もともと得意だったフォークに加え、スライダー、新たに球種へ加えたカーブをピッチングに織り交ぜ、相手打者を手玉に取ったのです。

何より大谷翔平の豪速球に、選手もファンも度肝を抜かれたのでした。

 

 

メジャーでの二刀流

蓋を開けてみれば、投手で4勝2敗。打者で.285、ホームラン22本の好成績。

ニューヨーク・ヤンキースのトーレスやアンドゥハーと並んで新人王候補に挙げられるまでになっていました。

開幕前の不安もどこへやら。

大谷翔平は、メジャーでもきちんと二刀流を通用させたのでした。

 

 

さらなる大谷翔平の不安

大谷翔平は、2018年シーズン痛めた右腕靭帯の手術の影響で、2019年シーズンを打者に専念すると発表しました。

打者としての復帰も2019年シーズン後半からで、二刀流が見られるのは、すくなくとも2020年シーズンからとなってしまいました。

 

今後の注目

2019年シーズンの注目は、大谷翔平が手術後も好成績を残せるかどうかです。

2018年限りで、ロサンゼルス・エンゼルスの監督を19年間つとめたマイク・ソーシア氏も退任するなど、2019年シーズン以降の大谷翔平の起用法も不透明になってきました。

 

 

完全無欠の二刀流

しかし、大谷翔平はこれまで、何度も苦難に直面してはそれを乗り越えてきました。

今襲いかかる苦難にも、我々の予想を遥かに超える活躍で、不安をはねのけてくれるはずです。

2020年東京オリンピックの年、大谷翔平は再び、投打に活躍する、完全無欠の二刀流の野球選手として帰ってきてくれるはずです。

そうして、このような選手が再び日本プロ野球に現れることはないのではないでしょうか。

[poll id = “2”]

 - 未分類